9/26/2014

ついに!

ヴェジタリアン/ヴィーガンの食事がもっともっと広まっていけばいいなーといつも思っています。今までにも、このブログ他でお伝えしてきましたが、イギリスには「お肉、お魚食べません。」と言う人は沢山います。でも何故か、有名シェフはお肉、お魚料理にばかり熱心で、テレビの料理番組でも
ヴェジタリアン専用の番組は全くないのです。不思議です。

ところが先日、とてもうれしい記事が新聞に載っていました。あのミシュランの星を3つ持つ、そして多分地球上で一番有名なシェフであるアラン.デュカスが「肉をほとんど使わないレストランをオープンした」というのです。正確にはオープンと言うより、改築されたパリのプラザ.アテネの再オープンに伴い「地球の資源は乏しくなっている。だからこそもっと倫理的に、フェアーに消費することを考えなければならない。」というのがその理由だそうです。つまりこれからは環境にやさしく、健康的な料理を考えるということらしいです。




ヴェジタリアン、更にはヴィーガンの人口は確実に増えています。アラン.デュカスのようなシェフが増えれば、その速度ももっともっと早くなるでしょう。

水の消費を考えただけでも野菜1キロを育てるのに500から4000リットルの水が必要ですがそれが肉となりますと4000リットルから20、000リットルの水が必要になります。その他、1キロのビーフを作るに10キロの穀物(チキンでも2~3キロの穀物)必要だということです。

私の場合、最初は健康が理由でヴェジタリアンになったのではなく(今でも不健康なことも沢山しています)、生きている物を食べることがいやでヴェジタリアンになったのですが、そのおかげでずいぶん体調が変わったように思います。毎年一回は必ずとことん最後まできっちり完成していた風邪も、そこまで行かずに食い止めることができるようになり、ここ5年以上も風邪と言える風邪はひいていません。

このように、ヴェジタリアンになってからはそうすることが健康、環境保善に良いことが徐々にわかってきました。つまり全てがつながっていることに気が付いたのです。世界中で毎日お肉、お魚を食べている人が、週に一度だけでも野菜だけの日を作れば環境にも大いに影響があります。

今まで、ヴェジタリアン/ヴィーガン料理の写真を沢山撮りました。自分のために撮影したものですが、今日は、皆さんとシェアーしてみたいと思います。中には今年3月にカナダに行った時の写真もありますが、皆さんの中で、「食べてみたいな。」とか「作ってみたいな。」と思って下さる方がいらっしゃったら、とてもうれしいです。ご紹介する写真は全てヴィーガンです。


まずは我が家のヴィーガン料理のひとつです。ヒヨコ豆とたっぷりの野菜を使ったトマトの煮込みです。時々、ヴィーガン用のソーセージを入れることもあります。付け合わせはキノアというもので、見た目はちょっとクスクスに似ていますが全くの別物。ペルーやボリビアが元祖だそうで、昔インカでは「金の穀物」と言われていました。他の穀物の持つ栄養が全て含まれ、肉の持つ、そして人間に必要な9種類全てのアミノ酸を持つ唯一の食べ物です。料理もものすごく簡単、しかも時間もかからず、サラダやスープ、デザートやケーキなどにも使えますので、我が家では一番大切な食べ物のひとつです。




レストランやパブは、日本食ブームの煽りから、日本食にヒントを得て作られる料理も多くあります。


 
 
 
 
 
 
ヴィーガンの中華料理なんて不可能と思っていらっしゃる方?仏教徒も多い中国人ならではの実においしいヴィーガン中華料理です。




 

                         ベトナム料理も。


 
 
メキシコ料理も。
 
 
 
 
インド料理も。
 
 
 
 
朝ごはんもヴィーガンでいきましょうと....
 
 
 
 
デザートだって。
 
 
 
 
 
 
 
何料理かわかりませんが、その他にも....。 
 
 
 
 
 
 
 
これはたしかアラブ系だったかと....
 
 
 
 
 
 
ドナッツまで....ドーナッツ好きの主人曰く、「クリスピー.クリーム顔負け」だそうです。
 
 
 
 
動物性のものを全く使わず(乳製品も卵も無しで)、こんなに美味しい料理ができるのです。それを
一人でも多くの方に知っていただくことは私の大きな願いです。
 
 
 
 
 
 

9/21/2014

理想の住処 ‘レッドハウス’

ウィリアム.モリスが妻ジェインとの新婚生活を始めるために建てたレッドハウスに行ってきました。今回は半日のみの仕事で、列車、タクシーを使ってご夫婦をご案内しましたが、ご主人は建築家でした。建築家の目からご覧になったレッドハウス、またまた新しい発見が色々ありました。






モリスが実際にレッドハウスに住んだのは5年間だけでした。でもその5年は彼の理想の暮らしが凝縮された5年間でした。それは気の合った仲間との労働から生まれたものです。建築から内装まで完璧に自分の好みを反映させたこの家では二人の子供が誕生し、ここでの暮らしはモリスの人生の中で最も幸せなものでした。


私は、この家がとても好きで仕事以外にもたまにプライベートで訪れることがあります。そこは私にとって、なにか懐かしい思いを感じさせてくれます。小さい頃に西洋風の民家を訪れた時のことを思い出します。懐かしい木の家具の匂い、肌触り、部屋以外の場所の空間の取り方がそう思わせるのかもしれません。


そして日本の漆に似せた塗装を施した家具、煉瓦のざらざらした赤い表面の感触....


建築を担当したフィリップ.ウェブはアーツ&クラフツ運動家の中では知名度が低いかもしれません。でもその後の建築の分野に大きく貢献した人です。私がレッドハウスに行くと‘懐かしい気持ち’になるのは彼の影響を受けた日本のアーツ&クラフツ建築が私の体の中で蘇るからかも?


ウェブの設計は内部から始めるという方法をとったので、建物の外観がちょっと変わっています。でも、「使いやすく、そして美しく」というアーツ&クラフツの思想に合った素晴らしい家を完成させました。






急こう配の屋根、装飾的な煙突、窓の尖ったアーチ.....中世の雰囲気がいたるところに感じられます。


当時は周りに何もない田舎のこの場所をモリスが選んだ理由のひとつは、彼が愛したチョーサー作‘カンタベリー物語’(14世紀末)の中で巡礼者が通ったカンタベリー大聖堂への道が近くを通っていたこともありました。


モリスはガーデンへと続くこのポーチに‘巡礼者の安らぎ’と名付けました。



 
 

その壁の一面を覆ったタイルに、ゴシック式にしたモリスのイニシャルと、彼のモットーである “Si Je Puis (If I can)”の文字が見られます。







中世の絵を参考にして、フィリップ.ウェブや、やはり友人であり画家のバーン.ジョーンズ(特にステンドグラスのデザインが有名)がデザインしたステンドグラスの窓は私たちの目をガーデンへと誘います。








このレッドハウスで、特に私の好きな空間は、階段と、出窓です。

建物のフォーカスポイントであるこの階段は、中世の教会の尖塔を思わせる欄干が立っていますし、階段を登り切ったところにあるアーチの煉瓦も当時としては珍しくむき出しになっています。素材の美しさを大切にしたモリスだからこその思いが表れています。






 
 
 
If I can......モリスではありませんが、もしここが私の家だったら一日中この出窓に腰掛けて本を読んで過ごすことでしょう。目が疲れたら外のガーデンを眺めたりしながら.....


5年後の1865年、経済的な理由でモリス一家はレッドハウスを離れ、ロンドン中心に移り住みます。自分たちで建てた理想の家を離れることはモリスにとって身を切られる思いだったに違いありません。レッドハウスのために揃えようとしたものが見つからないために自分で家具、装飾品の会社まで作ってしまったモリスです。


レッドハウスを離れてからも装飾デザインは続けますが、彼の目的は‘一部の人のみではなく、全ての人が楽しめる芸術品’を作ることでした。美しい芸術品とは中世の職人のように手仕事から出来上がったものです。機械で大量生産して作られたものよりは当然値段も高くなります。つまり裕福な人のみ、限られた人のみが手に入れるものとなってしまったのです。


そうした矛盾は彼の社会主義の思想に反する結果となりモリスを悩ませます。
また妻ジェインと友人ロゼッティの関係もあり、レッドハウスを離れてからのモリスの人生は葛藤との戦い続きだったのかもしれません。


その後、人生最高の日々を過ごしたこのレッドハウスをモリスは二度と訪れることはありませんでした。







「家と言うよりは詩そのものだ。」とロゼッティが評価したレッドハウスは、モリスのみならず私も含め多くのひとの理想の住処かもしれません。

9/18/2014

ラベンダーは終わりましたが。

イギリスにはラベンダー畑が沢山あります。私は今までコッツウォルズ、ノーフォーク、ヨークシャー、ケントなどのラベンダーファームを訪れましたが、どこも季節になれば畑に近づいただけで空気に溶け込んだラベンダーの香りにうっとりします。

ラベンダーでも色んな種類があるようで、例えばフレンチ.ラベンダー、スパニッシュ.ラベンダーなどです。イングリッシュ.ラベンダーは咲いている期間は7月いっぱいくらいまでと短いのですが香りが特に優れていて、アロマオイルなどに使われるのはこのタイプが多いとか。

ラベンダーは精神安定剤になるので、昔から安眠のために寝る時に目のマスクや、枕に入れたりしていました。半年前に泊まったホテルでは、枕元にロール式の小さなラベンダーのチューブが置かれていました。     For your peaceful night.
このロールをコロコロ耳たぶ、首、腕などに転がして、すっかりラベンダーガールみたいに(カレンダーガールではありませんが)なって休みました。そのせいかどうかはわかりませんが、朝までぐっすり寝ました。

さて、今日はラベンダーの事を書くつもりはなかったのですが、先日ヨークシャーにあるラベンダー畑に行った時のことをご紹介したかったのです。ここは38歳で亡くなったあるご婦人の追悼にと、ご主人がゼロから始めたラベンダー畑で今は娘さん二人も成人されて3人で経営しているそうです。





季節的にラベンダーはほとんど終わっていましたが、だからと言って人がいないのではなく、とても賑やかでした。畑の横に設けられたテントでは、オーナーの方がラベンダーに関してのレクチャーをやっていました。




お店も充実していて、ラベンダー入りのジャムが沢山!目移りしてしまったのでオーナーの女性に「あなたはどれが好き?」とたずねたら、「私はラズベリーとレッドカラントが一番好き。キャセロールに入れます。味がぐんと引き立つので。」 キャセロールとは陶器などに入れてオヴンで作るシチューのようなものです。えっ?デザートでもないキャセロールに?

チャツネは日本ではカレーに入れたりしますが、ジャムをシチューに入れるなんて聞いたことがありません。でも、好奇心のかたまりで出来ている私はどうしても試したくて買ってしまいました。その他ラベンダーとジンジャーのジャム、これも珍しいですね。そして主人のためにラベンダー入りレモンカード。全部試したらご報告しますね。





このラベンダーファームでのもうひとつの驚き。それはここにある植物は販売されているものも、観賞用のものも全て触ってもいいこと。今まで、そんなガーデンは見たことがありません。「お客を歓迎しているんだなー」と感じました。特にラベンダーは触って香りを楽しむことが大切ですから。
でもその他の植物も触っていいのです。


 
 
 



ヨークシャーを訪れることがあったら是非このラベンダー畑も覗いてください。


Terrington, York, North Yorkshire, YO60 6PB
Tel 01653 648008
http://www.yorkshirelavender.com/   

こういうところには人間のみではなく、鳥や虫も集まってきます。皆、歓迎!いいですねー。




さて、今日はスコットランド独立か否かの国民投票の日です。

朝からニュースはそのことでもちきり......と思ったら、投票に向かう人の姿がテレビに写しだされただけ。そうですよね、結果は夜にならないとわかりません。22時ころから今夜は寝ないでテレビにかじりついていそう。

Yesに勝利が渡れば、大変な変化が起こるでしょうし、Noに軍配が上がっても、これからのイギリスは変わっていくと思います。どこかの国のように戦車で強引に留まらせるのではなく、戦争にもならず、国民投票で決める。やはり世界に誇る英国の民主主義の歴史の賜物と思います。

9/17/2014

マスミ.オーマンディさんのディナーショー

日本からディナーショーのお誘いが来ました。近かったら是非行きたい!




Masumi Ormandyさんのディナーショーです。彼女とは日本にいた時からのお付き合いです。ご主人のオーマンディさんとその頃日本でも少なかった英語のランゲージスクールを開かれてから今年で40年。山をも動かすようなバイタリティと、優しいお人柄、そしていつも前向きに人生を送っていらっしゃるとっても魅力的なMasumiさんが、イタリアで勉強された歌のご披露と共にトークライブをされるというので、お近くにいらっしゃる方に是非お声をかけたいと思います。

彼女のプロフィールをご紹介します。

東京杉並の児童英語学校パシフィックランゲージスクール副校長.PLS英語教育研究所 所長。数多くの英会話学校.幼稚園.保育園.小中高等学校の英語教育コンサルタントとしても活躍。近年、イタリア語学習とイタリア児童の英語教育に従事、指導法などを研究。英語教育と異文化紹介も兼ね「歌」による文化活動にも邁進中。「母親よ、大志を抱け!」(アスペクト)など著書や共著多数。

期日: 2014年11月15日(土) 
会場: ホテル紅や コンベンションホール ルビー
     長野県諏訪市湖岸通り 2-7-21  Tel: 0266-57-1111(代表)
出演: マスミ オーマンディ (ヴォーカリスト)
     白石啓太 (パーカッション.ドラム)
     仁科愛 (ピアノ.エレクトーン)
料金: 一名 10,000円 (ディナー.ワンドリンク込.税込)

お申し込.お問い合わせ: マスミ オーマンディ教育.文化活動の会 酒井さん
                   Tel:03-5306-5991 
                   Fax: 03-5306-5738

いらっしゃった方は、是非ご感想をお聞かせください。
行きたくて仕方のない由美子より。
   
    

9/16/2014

ほんの一時でも

人それぞれ、気持ちをパッと明るくしてくれる場面に出くわすことがあります。そういう瞬間は一日に一度あるかないかの人と、一日に10回も訪れるラッキーな人もいます。それは癒しの時もあれば、心をどきどきさせてくれる場合もあります。

私の場合は自然の美しさや、可愛らしい動物に出会うと、周りのこともすっかり頭から消えてしまうほと感動します。いつも「単純ねー」と言われる所以です。

先日は駅で、それはそれは可愛らしい犬を見かけました。残念ながらその犬は、向かい側のプラットフォームのベンチに腰掛けている人の足元に座っていましたので、行って撫でることはできませんでしたが。可愛い犬や猫を見ると、どうしても触りたくなるのが私のクセ。




カメラを向けたらオーナーの方が、ちゃんとお座りをさせてくれました。


 
 
 
こっちよ、こっちー。ハイ、ポーズ!ちゃんと見えてるのかな?
 
 
人生、楽しいことばかりではありません。悩み事、心配事もつきまといます。そんな中で、ほんのちょっとでもプラスの感情を持つことはとても大切な事と思います。そんな瞬間が一日に何度もあればバラ色(に近い)人生が送れるのかもしれませんね。

9/14/2014

しばらくぶりで帰宅してみると....

ツアーを終えて帰宅してみると、息子夫婦がすでに新居に引っ越していました。お嫁さんが看護婦の資格を取るために勉強し始め、息子のお給料だけで家賃を払っていくのも大変になって私たちとの同居生活を始めてから3年以上経ちます。お嫁さんはやっと資格を取り、看護婦としての道を歩み始めました。

そして今年始め、1800年の中ごろに建てられた家を購入。古くて中は住める状態ではなかったわけです。「本当に住めるようになるのかしら?」と半信半疑だったのですが、やっと水、ガス、電気が使えるようになり、キッチン、バスルームも出来上がって、カーペットも入れられる状態になったようで新しい生活のスタートをきりました。もともと仮の住まいとして同居し始めたので、ほとんどの所有物は倉庫に預けてあり、引っ越しは一日で済んだようです。

息子夫婦が去った後の我が家は、とてもガランとしていて、これからは家族4人(そのうちふたりは四足)で仲良く暮らしていきます。でも家族がふたり減っただけでこんなに毎日の生活が変わるなんて。夕食の支度がもっと手抜きになりそう!

国単位ではスコットランド独立か否かのスコットランド人の国民投票が来週木曜日に迫っています。ほんのちょっと前まで世論では「独立しない」方が優勢でした。ところがここに至っては五分五分になり先週は政治家たちがぞろぞろスコットランドに乗り出してスコットランド人を説得しようと必死です。その中にはもちろんスコットランド人の政治家もいます。つまり ‘Yes(独立賛成)’ か、 ‘No(独立反対)’ の戦いとなっています。ポール.マッカートニーやミック.ジャガーを始め多くのNo派の芸能人も Let's stay together! と、呼びかけています。新聞やテレビでのニュースやディベートも熱くなってきました。


 

イギリスという国はイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの国から成っている連合王国です。スコットランドは300年以上前に連合王国の仲間入りをしました。長い歴史の中ではずいぶんイングランドに苦しめられたこともありました。そして今、彼らは遠いウェストミンスター(ロンドンはビッグベンで知られる国会議事堂のあるところ)でスコットランドを動かされることに不満を持っています。

私がスコットランドに行って会うスコットランド人はイングランド人、イングランドという国自体に否定的な態度を示す人も多いことは確かです。冗談であれ本気であれ「自分はスコットランド人だ。イングランド人ではない。」という意思表示がどこかに見え隠れしています。でもいざ独立となれば、ハートで考えるより頭で考えなければいけないことが沢山あります。

通貨はどうなるの?ポンドが使えなくなった時にはスコットランドの経済はどうなるの?EUとの関係は?ナショナルヘルスサービスは(英国は医療費が無料)?等々.....今、スコットランドはヨーロッパの中でも経済成長はトップに入ると言われていますが、今後はどうでしょう?「今のスコットランド」より「将来のスコットランド」を考えなければいけません。とても難しい問題です。

すでに銀行を含む大企業がオフィスをスコットランドからイングランド北部に移転する話も多く出ています。

そしてスコットランドが独立した際には当然残りの連合王国にも影響が出てきます。キャメロン首相も辞任するかもしれませんし、経済的にも大きな打撃となることは間違いありません。

そんな中、女王だけは何も言っていません。本当は彼女こそ「独立しないで!」と言いたいところでしょう。はっきり、そう言ったほうがいいのかもしれません。たしか、オーストラリアが英連邦から独立する際ははっきり意見を述べられていたように思います。それが理由とは思いませんが、結局オーストラリアは独立しませんでした。

そんなわけで Yes とNo の戦いは日増しに激しくなってきます。

息子たちは独立して、この家を去っていきましたが果たしてスコットランドも出ていってしまうのでしょうか?

9/13/2014

お見舞い申し上げます。

日本からのメールで豪雨が続き、各地で被害が出ていると聞きました。
東北では大震災の後、更にご豪雨で家を壊された方たちがいらっしゃるようです。

一刻も早く、雨があがってくれますように。
心からお祈りします。

9/12/2014

秋の湖水地方

湖水地方、ヨークシャー地方のツアーから戻りました。日本からの湖水地方のツアーはだいたい7~8月に集中しています。でも秋の湖水はまた格別です。今回の行程はロンドンから湖水地方まで列車で行き、そこからは専用車で地域を周り、再び列車でヨークシャーに入り、ヨークシャーデール、北ヨークシャー荒原を車で周り、その後ハロゲート、ヨークを経由してヨークから再び列車でロンドンに戻るという行程。ふたりの運転手と今回のお客様の好まれそうな場所を事前に考えました。また地元の人が勧めるレストラン、パブはロンドンに負けないくらいおいしく(値段は3分の2)、ご満足いただけたと思います。


 今日はちょっと長くなりますが、しばらくの間お付き合いください。

 
まず湖水地方は、有名なウィンダミア湖は今回は避けて、北にあるマイナーな湖や、谷を周りました。湖水地方は特に雨の多いところです。だからこそ緑が美しく、そして空気も新鮮で、精神も体もハッピー。今回は3泊4日の湖水でしたが珍しく日中は全く雨には会いませんでした。でも夜中に降ってくれたおかげで空気もきれい。幻想的に霧が少しかかった湖水、澄み渡る青空が映った真っ青の水面の両方を見ることができました。

 

 

 

荷を積んだ馬が通るために何百年も前に造られた橋が沢山あります。

 

 

 

谷また丘の上高く漂う雲のごと、

 われひとりさ迷い行けば、

 折しも見出でたる一群の

 黄金色に輝く水仙の花、

 湖のほとり、木立ちの下に、

 微風に翻りつつ、はた、躍りつつ......     ワーズワース作 田部重治訳

 

ワーズワースが妹のドロシーとアルズウォーター湖畔を歩いていた時に見つけた水仙を詩にしたものです。

 


 

水があまりにも澄んでいて、湖畔まで行けば思わず指を水につけてしまいます。夏でも氷のように冷たい水にすぐに指をひっこめて。

 


 

湖水地方に行ったなら、ウォーキングは欠かせません。今回はワーズワースの住んだ家、ライダルマウントとダヴコテージを結ぶ道をライダル湖、グラスミア湖沿いに歩きました。

 




 
 


楽しんでいるのは人間だけではありません。
 



 


 

ウォーキングをするなら朝食もしっかり取って。スターター(?)には旬のベリーや果物のシチューを。

 


 
 
 
 
 

お客様からの情報で、ダヴコテージに増設されたミュージアムで『ワーズワースと芭蕉:歩く詩人』展が開かれていることを知りました。




 

 

 

今はこの国でも日本の俳句が人気です。

 古池や

 蛙飛び込む

 水の音

 

 The old pond

  a frog jumps in,

  sound of water                                      Wordsworth Trust

 

向かいの建物ではワーズワース時代のレシピーから作られたスープを無料配給。リンゴが入っていると聞いて??と思いましたが、いただいてみるとけっこう美味でした。

 

 

ホームメードのケーキも。これらはワーズワーストラストのチャリティ活動の一環で行われているもので、利用するひとはドネーションとして募金箱にお金を入れていきます。

 

 

 

アルズウォーター湖を小さな船で遊覧もしました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

歩いて、遊覧もして、そろそろまたお腹がへったころ。湖水のホテルでアフタヌーンティです。

 


 

湖水地方と言っても美しい景色は湖畔だけではありません。遠くにアルズウォーターを望んだ谷をドライブします。

 


 

 
‘ピーターラビット’の作者ビアトリクス.ポターが絶滅寸前のところを救ったハードウィックシープは行く度にどんどん数が増えている気がします。春に生まれる時は真っ黒でもこの頃になればお母さんのように灰色の毛に変わってきます。

 

 

 

ポターが所有したターンハウズは小さな人口湖です。

 

 

 

ごめんなさい。昼食、夕食は名物のカンブリアソーセージ他、地元の素材を生かした料理の写真を撮ったつもりが....実際は撮っていなかったようで。自分のものばかり撮影していたようです。

 

 
 
 
 

 
 
 


3泊の湖水地方のツアーはこうして終わり、翌日は列車でヨークシャー入りしました。乗車したのはペンリスに近い小さなラングワース駅でした。

 

 

 

これから11月中ごろまでは紅葉も素晴らしく、皆さんが想像される湖水地方とちょっと違うかもしれませんが、あったかい恰好をして寒さに備えれば素晴らしい湖水地方が経験できるはずです。