12/24/2016

Merry Christmas !!!


数か月前の天気予報では12月は後半から寒さが厳しくなり、ホワイトクリスマスが期待できそうということでした。

今日はクリスマスイブ。雪が降るどころか暖かいクリスマスになりそうです。イギリスの天候は変わりやすく、予報も当てにならないと覚悟はしていても心のどこかでホワイトクリスマスを期待していたのは私だけではないはず。クリスマスの日、暖かい家の窓からマルドワインを飲みながら深々と降る雪を眺めるなんて素敵ですものね。

今日はそんな暖かいロンドンのクリスマスを味わっていただきますね。

 
霧のかかった朝。





1時間後には霧もすっかり晴れて公園の池には水鳥に交じってカモメ。
 





リスも木から木へと走り回り適度に運動。




オーナーを散歩に連れてきた犬?
 




 




皆さんも楽しいクリスマスをお迎えください。

































































































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12/17/2016

包装袋で考えること。

先日、ある村でクリスマスショッピングをした時のこと。

ウサギの可愛らしい絵が描かれた陶器のコースターをレジに持って行き、支払いをしました。包装紙や袋は無駄と思っている私はいつも通り「袋は要りません」とレジの人に言いました。通常ですと「環境を考えてくれてありがとう。」という笑顔が見られるのですが、この日は違いました。「本当に要らないのですか?」とがっかりした様子。ちょっと興味が湧いた私は「それではお言葉に甘えて」と、「無駄だなー」と思いながらも返事をしました。

そして品物を入れてくれた袋を見て感激しました。それは英語ではないどこかの国の文字で書かれた新聞紙で出来ています。


 
 


ホント!なんて素敵な袋なのでしょう。しかも手作りです。こんな袋に入ったプレゼントをいただけば嬉しさは倍です。


「Newspaper bags」と書かれた小さなカードにはこう書かれています。「この袋の収益金の一部はインドのストリート.チルドレン(家のない子供たち)のための食べ物や教育に使われます。また家族にはこの袋を作るための職を提供します。」






環境のために新聞紙を使うこと以外にもストリート.チルドレンを救うためになっていることを知れば紙で作られた袋が益々素敵に見えます。

仕事上、私は日本の方をおみやげのお買い物にご案内することがあります。そんな時、半分以上の方がレジで「友人たちのおみやげなので」と、エキストラの袋をお願いします。レジでは以前は5枚でも6枚でも気持ち良く下さったのですが、最近は違います。仕方なしに2,3枚くれるのがせいぜいと言ったところ。スーパーでは袋が有料になりましたしね。全て環境のためです。

資源の節約もありますが、プラスチック、ビニールでできた袋は処分できないもので、海や川に流された場合は鳥が食べ物と間違って食べてしまうことも多いのです。その結果鳥たちは死んでしまいます。

我が家では、クリスマスプレゼントは新聞紙に包んでというのが暗黙の規則になっています。時には、セーターやパジャマに包んだり、枕カバーやソックスの中に入れたり(もちろんちゃんと洗濯したものですよ!)しています。

日本の方々へのおみやげもイギリスの新聞に包んで差し上げてはどうでしょう?頂いた方も嬉しいと思うのですが。



12/12/2016

一番おいしいミンスパイは?

そろそろミンスパイの季節になりました。ミンスパイとは英語圏の国では伝統のクリスマス菓子です。クリスマスイブには、子供たちは寝る前にサンタクロースのためにプレゼントのお礼としてシェリー酒とミンスパイを煙突の近くに置くのが習慣です。子供たちが寝た後でシェリー酒のグラスを空にし、ミンスパイは半分食べて半分をお皿に残しておくのは結局はお父さんの役目というわけです。





minceとは「細かく切る」「細切れにする」などの意味があります。ですから牛肉の挽肉はminced beef、ポークの挽肉は minced porkといいます。ところがmincemeatと言えば意味が違ってきて、干しブドウのような実や果物を香料で混ぜたもので、今ではミンスパイに使います。その起源は13世紀。十字軍の遠征から戻った戦士たちが、中近東から持ち帰ったレシピを基にしています。そのレシピとは肉の細切れが入っていたそうで、イギリスでは近年に入ってから(20世紀に入るとほとんど完全に)肉が取り除かれました。それでもスイットを(ビーフやマトンの腰のあたりの脂肪)入れるレシピは根強く残っていました。

それも最近では「くどすぎる」「健康に良くない」などの理由でスイットさへ取り除かれたものが多くなりました。

歴史的には17世紀に起こった清教徒革命の結果、クリスマスプディングと一緒に一時ミンスパイも禁止されたことがありましたが今ではクリスマスには欠かせないお菓子として人気です。

さて、先日友人の所に遊びに行った際に紅茶と共に出してくれたのがこのミンスパイでした。彼女はいつも自分で作るのですが、その日のミンスパイは市販のもの。私はどちらかと言えば市販のミンスパイはあまり好きな方ではなく、自分で作るか、忙しい年などはカットすることさえあります。

「このミンスパイ、どう思う?」と友人に聞かれ、(仕方なく?)食べてみました。ウン?おいしい!甘さも丁度よく、あっさり気味。パイ地(ショートクラストペイストリー)も軽くて、美味しいではありませんか!そしてメーカーを聞いて再びびっくり。アイスランド社の(主に冷凍食品を扱っているお店で、値段もかなり安めのチェーン店)ものでした。







実は有名な女性雑誌Good Housekeepingで色々なメーカーのミンスパイを食べ比べした結果、今年一位になったのがこのアイスランド社のもので100点満点の84点でした。

因みに他のメーカーの点数は
2位がスパー社(よくガソリンスタンドと一緒になっているコンビニ)で83点、、3位はベティズで75点、4位はアズダとマークス&スペンサーで74点、そしてハロッズはウェイトローズ、セインズブリー、アルディ(格安スーパー)と同じ8位で73点です。

ここでおもしろいのは値段です。アイスランドのミンスパイは6個入りで£1-50、スパー社は6個入りで£2-00、ベティズのものは12個入りで£10-00、アズダは6個入りで£0-89、ハロッズは6個で£8-95です。

改めて感じることは「高いから」とか「有名だから」という理由で「おいしい」とは限らないということ。8位のハロッズは4位のアズダの10倍の値段です。値段がこんなにも違うのはもちろん材料にブランディーを入れたり、箱が缶だったりすることも理由のひとつと思いますがミンスパイ自体は結局は買う人の味の好みの問題ということでしょうね。


12/07/2016

小さな村でのクリスマス体験

雑誌RSVP社主催のクリスマスツアーで、メンバーのためにカルチャーツーリズムUKが「カルワース村でのクリスマス」をオーガナイズさせていただきました。詳しくはカルチャーツーリズムUKのウェブサイトから「フォトギャラリー」をご覧ください。

culturetourismuk.com

カルワース村は友人メアリーが住んでいる人口450人くらいの小さな村です。教会ではクリスマス.キャロルの合唱の他、「教会の鐘を鳴らす」という貴重な体験をしていただきました。ただ紐を引っ張ればいいというのではなくタイミングもさることながら最後には鐘の位置も考えなくてはならず、その難しさにびっくり。その他、中世から変わっていない鍛冶屋さんの工房を見学したり、クリスマスのお買い物をしたり。一日はあっと言う間に過ぎていきました。





教会の後はヴィレッジホールでクリスマスディナーをいただきました。ローストターキー(ターキーが苦手な方、ヴェジタリアン、ヴィーガンにはナッツローフ)には日本では珍しくてもイギリスでは伝統家庭料理に添えられるブレッドソースや赤キャベツの甘酢煮など。





メアリーさんが2か月前に作ったというクリスマスプディングはお手製のブランディーソースと共に。なんとほとんどの方がおかわりするど大好評でした。


 
 
 
 
 
 
カルワースのクリスマスはRSVP誌の最新号に特集されています。一年前の今頃、この特集のためにカルワース村での取材に同行させていただきました。カメラマンのYayoiさんの写真が素晴らしく、クリスマスの模様がとても素敵にし上がっています。是非ご覧ください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

教会に飾られたnativity(キリスト誕生のシーン)の人形。





 
 
 
 




数日前から準備にかかりっきりだった村の人たち。ありがとうございました。ツアーの皆さんはカルワースでの体験をイギリスでのクリスマス体験の一こまとして胸に、今頃はご帰国の準備をされていることでしょう。いつかまた是非カルワース村を訪れてください。

* ウェブサイトのアドレスが変更になりました。すでに起動しています。

旧: www.eikoku4you.com
新: www.eikoku4you.co.uk


12/04/2016

ホームページのアドレスが変更になりました。

ホームページのアドレスを変更することになりました。以前のwww.eikoku4you.comはすでに存在していません。新しいアドレスはwww.eikoku4you.co.ukです。ただ完全に移行されるまでにはもうしばらく時間がかかるようです。すでにブログが見られなくなったというメールが来ていますが、ブログはそのまま続行しますので、万が一見れなくなった方はhttp://yumikotivers.blogspot.co.uk/ から入れます。(と言っても、そういう方は今日のブログも見ていただけないということですね。フム...)

さて、今年の冬は寒さが厳しくなりそうとの予報で、一応覚悟はしているのですが先週から今週にかけては気温の変化は激しいものの「寒い!」と特に感じていません。

先週のある日。前日は薄手のジャケットで町を歩いていたのに、その翌日は霜が降りていました。あまりの美しさに温かい家の中からせーター1枚で庭に飛び出し、霜で凍りついた芝生の上を長靴でサクサク音を立てながらグルグル歩きました。その気持ちが良かったこと。


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
まるで砂糖に包まれているようなバラはウェディングケーキにの上に載せてしまいたいくらい。霜にも負けず可憐に咲いてくれています。でも蕾は開くかな?
 
 
 
 
 
ここまで開いたらもうチョイッ!でもそのままでも十分美しいですよ。
 
 
 
 
一方ロンドンでは11月からすでにクリスマスの秒読みが開始と言ったところ。年々クリスマスが早くやって来ているように感じるのは私だけでしょうか。
 
 
 
 
コベントガーデンはミスルトー(ヤドリギ)が天井から吊るされていました。ミスルトーはクリスマスの時期は家の中では上から吊るします。昔は男性はミスルトーの近くにいるどの女性にもキッスをしてもいいという習慣がありました。女性にキッスをすることをためらうシャイな男性のために、また人前で堂々とキッスをするのがモラル上よろしくないと考えられていた頃の習慣ですが、今はこの習慣を持ちだすことが返って野暮に見えることもあるようです。でもミスルトーはキッスとは関係なくいまだにクリスマス時の飾りとして使われています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
トラファルガー広場のクリスマスツリーは第二次世界大戦でノルウェイのロイヤルファミリーがイギリスにお世話になったお礼として毎年贈られるもの。
 
 
 
 
今週はマイルドな天気に逆戻りという予報です。冬に突入したならそのまま寒いままでいてくれたほうが安心します。天気や気温に大きな変化があるたびに地球のことが心配になります。
 
 
 

11/25/2016

離れ小島で初めての犯罪


南ウェールズのテンビーという素敵な町から小さなボートで4キロほど行ったところにカルディ島(Caldey Island)があります。島には18名の修道士を含む約60名の人が住んでいます。10年くらい前に行った時は、「日曜はボートは出ません」と言われ、翌日に行ったことを覚えています。つまり日曜は修道院のみならず、島全体が安息日ということ。そしてボートは4月から10月までしか運航されていませんので、冬場は完全に離れ小島になります。

この島には6世紀のケルトの時代にキリスト教の修道院がありました。その後12世紀にはべネディクト派の修道院になり、1906年に、アングリカン教会が島全体を購入しました(現在の建物はこの時に建てられたもの)。しかし、財政困難に陥り、1929年に再びカソリックのシスターシアン派の修道院に渡り今に至っています。

そこでは今日修道士たちが農業を営み、お菓子やチーズ、香水などを作って暮らしています。修道院はアーツ&クラフツの最たるデザインで、真っ白い建物は実に印象的です。島には修道院の他ケルトの十字架、13世紀の教会、ノルマン時代のチャペルなど興味深いものが多くあります。そして野生動物が沢山住んでいて自然派のイギリス人たちにも人気です。

本当はもっともっと観光宣伝をしてもいいのでは?と思うくらい美しい島ですがイギリス人でさえこの島を知る人は多くはありません。そんなカルディー島でなんと初めての犯罪が起きたと報道されました。


 
 
 
犯罪と聞けばすぐに殺人を思い出す私はアガサ.クリスティの心境。正にバー島の「そして誰もいなくなった」です。 修道士が殺された?犯人は同じ修道士?それともボートでやって来た観光客?それとも皆殺されて誰もいなくなった?
 
 
で、真相はどうかと言いますと子供と一緒にやってきた観光客が逮捕されたというのです。理由は、修道士たちが経営するチョコレート工場を見学していた時のこと。7歳の子供が言うことをきかないのでお父さんがお尻(かどうかはわかりませんが、とにかく体のどこかを)を叩いたというのです。そこにいた一般の人がこれを見て警察に通報、救命ボートでやってきた警察に45歳の父が逮捕されメインランドに連れて行かれました。そして2か月後の裁判でこの父は息子に手をあげたことを認めたという内容です。
 
新聞は「今世紀最大の犯罪」と皮肉った記事を載せ、島に40年以上住む人は「島での初めての犯罪だ。時代が変わっている証拠。」と話しています。神聖な島での大きな大きな出来事だったようです。

11/19/2016

メリーポピンズを育てる学校。

「お砂糖ひと匙で」や「2ペンスを鳩に」「スーパーフレジェリスティックエスピアリドーシャス」などは「メリーポピンズ」の映画に出てくる曲です。映画は知らなくても、これらの曲はほとんどの方はご存知でしょう。ジュリーアンドリュースふんするメリーポピンズが黒い傘をさして、空から飛んできてロンドンに住むジェーンとマイケルのナニー(乳母)になるのが映画の内容です。私も子供たちが小さかった時は何回、いいえ何十回この映画のビデオを見たことでしょう。(子供は同じビデオを何度も何度も繰り返し見たがりますね) 怠慢な母にとって「メリーポピンズ」「オズの魔法使い」「ナルニア王国物語」、クリスマスが近づくと「ミッキーのクリスマスキャロル」「スモール.ワン」は家事に忙しいときは、ナニーに代わって随分お世話になりました。

イギリスには空は飛びませんが、メリーポピンズのようなナニーを育成する学校ノーランド.カレッジがあります。ここの卒業生はイギリスのみならず世界中で活躍していてウィリアムとケイトさんのお子さんのナニーもこの学校の卒業生です。シャーロット王女の洗礼式の際に、なんだか変わった服装の女性がテレビや新聞に映っていました。この女性がナニーのマリア.テレサ.テュリオン.ボラロ(スペイン人)です。彼女が着ていたのはノーランド.カレッジのユニフォームだったのです。学校を卒業してもユニフォームを着ているナニーがいますが、現在はそれは「特に一般の目を引く」ということで義務付けられてはいませんが。

9月にヴィーガン料理の修業のためにBathの町で1週間過ごしましたが、滞在先のすぐ近くにこの学校がありましたので、私も学校に行く途中でユニフォーム姿の彼女たちたちを毎日見かけました。(現在は男性も入学が可能)









ノーランド.カレッジは1892年に設立されました。入学の倍率は4倍と言われます。筆記試験、口頭試験の後約50名の新入生が子供に関わるキャリアを目指すべく3年間の訓練を受けますが、それは講義のみならず料理や裁縫、また病院、幼稚園などでの実技他、自己防衛(子供防衛)のための訓練など8時から4時までびっしり詰まった時間割をこなします。そして最終学年は実際に家庭に入っての訓練があります。


 
 
 
 
 
 
 


こうして晴れてノーランド.カレッジを卒業した人は世界中で活躍しています。ロイヤルファミリー他、伝統的な教育を続けたい貴族たち、両親が忙しいキャリアを持つ人たちなどです。

ここ100年くらい、ロイヤルチルドレンのナニーに求められることは随分変わってきました。特にダイアナさん(ウィリアムの母君)の時代からはその違いが大きいようです。それまではロイヤル.チルドレンの教育は完全にナニーに任せられていたのですが、ダイアナさんはウィリアムとハリーのナニーが彼らをmy babiesと呼んだのを聞いて、そのナニーを解雇するということが報道されたことがあります(事実かどうかは別として)。ウィリアムとケイトさんに至っては、最初はナニーを雇わないことを考えていたそうです。(結局はお二人が公的業務をするにはナニーが必要と判断されたようですが)

両親に育てられるのが子供にとっては最適の教育と考えられる今日、ナニーの職自体が昔と比べて限界があるように思っていましたが、ノーランド.カレッジの事を知れば知るほど、特に仕事が忙しい夫婦にとっては安心して子供を預けられる頼もしいナニーの需要は多くなってくるかもしれないと感じます。

幼児教育はとても大切であることは誰しも信ずることですが、その時代に合わせて教育内容も随分変わってきています。少し前までイギリスでの子供教育にケイン(鞭)はつきものだったようですが、現在ノーランド.カレッジではカレッジで勉強す学生のみならず、卒業生にまで子供に手あげることを禁じています。

Bathの町で会ったノーランド.ナニーたちは皆とても感じが良く、優しさに溢れていました。







11/14/2016

コーンウォールの海岸でのウォルナッツの最後の散歩

ここ数日、テレビや新聞で話題になっていること。

18歳のウィペット犬ウォルナッツが高齢のために自分で歩くことも食べることもできなくなった
ので、オーナーは安楽死させる決心をします。

元気なころのウォルナッツ
 
 



ウッズ氏はいつも通り海岸に連れていき、いつも通り過してウォルナッツを送り出そうと考えます。そしてフェイスブックで「一緒に歩きたい人はどうぞ」と呼びかけました。ところが当日海岸には犬を連れた人、人間だけで来た人など数百人が集まりました。

コーンウォールまで来ることができない人は、ウォルナッツを思いながら別の場所で散歩しました。ウッヅ氏にとっては18年間いつも一緒にいた犬です。仕事にも連れて行き、時にはガールフレンドが焼きもちをやくほど。



 
 
 
 
 
毛布にくるまれたウォルナッツの愛した海岸で最後の散歩。
 
 
 
 
 
 
 
 
全国から多くのメッセージが送られました。この詩も
そのうちのひとつで、ウォルナッツのウッズ氏に対する気持ちを表しています。
 
 
 
 
 
翌日、ウォルナッツはウッズ氏ご夫妻、他の2匹の犬たちに見守られながら静かに息を引き取りました。
 
動物は、人間が誰しも持っている「美しいもの」を引き出してくれます。世の中の醜いものがいつも目の前に現れて、時には人間であることさえいやになることがあります。そんな時、動物を通して感じる人間の美しい心が唯一の癒しのような気がします。
 
更にウォルナッツのことを詳しく知りたい方は下記のリンクを訪れてください。
 
 
http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-cornwall-37955748
 

11/11/2016

戦没者追悼日

今日は11月11日。戦没者追悼の日です。3700万人という空前の犠牲者を出した第一次世界大戦は1918年11月11日に休戦協定が結ばれ、実質的に戦争が終了しました。この日はイギリスではRemembrance Dayと呼ばれています。11時(休戦開始の時間)には国中の戦争記念碑(それはどんなに小さな村でも見かけるイギリスのシンボルのひとつ)や人が集まる場所で(スーパーマーケットなど)2分間の黙とうが行われます。

実際にはイギリスではRemembrance Sundayといって11月11日に一番近い日曜にロイヤルファミリーを始め戦争で戦った兵士やその家族が官庁街であるホワイトホール通りの戦没者の記念碑(セノタフ)に集まり、11時に黙とうが捧げられます。この模様はテレビで中継されます。

この時期になると、多くの道行く人やテレビに出演している人たちが紙で作られたポピー(芥子の花)の花を胸に付けていますね。日本では赤い羽根募金がこれとよく似た募金活動ですが、ポピー運動は、戦争で負傷した、または精神的に病んでいる兵士、またその家族をサポートするチャリティのためのものです。これは戦場となった場所に多くの芥子の花が咲いていることで「芥子は戦場で戦死した兵士の血から生まれる花」という意味があり、特にフランダースの激戦のあった場所に咲くポピーをあるカナダの軍医が詩の中で謳ったことに始まります。(In Flanders Fields  「フランダースの野にて」の詩は後でご紹介します)




 
 
 
募金運動で使われるポピーや戦没者記念碑に捧げられるリースなどを作っているのがポピー.ファクトリーです。現在はロンドンのリッチモンド地区にあるこの非営利団体であるこの工場ではそのような戦争被害者30人の人が働いていて毎年1100万のポピー、135000のリースが作られています。
 
 
先日、バッキンガム宮殿で見かけた騎馬のおまわりさんと、そして馬もポピーをつけていました。戦争の犠牲になったのは人間だけではありません。第一次世界大戦では犬、馬、伝書鳩など900万の動物が死んでいます。高級ホテルが立ち並ぶパークレーン通りにはそのような戦争で亡くなった動物たちの記念碑もあります。
 




In Flanders fields the poppies blow
Between the crosses, row on row,
That mark our place; and in the sky
The larks, still bravely singing, fly
Scarce heard amid the guns below.

We are the Dead. Short days ago
We lived, felt dawn, saw sunset glow,
Loved and were loved, and now we lie
In Flanders fields.

Take up our quarrel with the foe:
To you from failing hands we throw
The torch; be yours to hold it high.
If ye break faith with us who die
We shall not sleep, though poppies grow
In Flanders fields.

第一次世界大戦から始まった戦没者追悼日ですが、イギリスではそれ以降も第二次世界大戦、フォークランド戦争、湾岸戦争、イラク戦争などさまざまな戦争で命を落とした兵士が多く、この追悼日は今では第一次世界大戦のみならず全ての戦争で亡くなった人たちを追悼する日です。ポピーを胸につけるこの時期、私の心の中にはイギリス人のみならず、日本を含む地球上の全ての戦没者、そしてシリアなどで今でも戦いの犠牲になったひとたち、動物たちがいます。