5/31/2017

ウィンズローのウォーキングに参加して

ロンドンから離れてみてわかったこと。それは田舎の町に行けば行くほど地域活動が盛んに行われていることです。クラブのようなものが沢山あります。歌のクラス、婦人会、ガーデニングクラブ、歴史勉強会.....先週に続き、今日も毎週水曜に行われるウォーキングに行ってきました。

教会のホールに集まり、そこからボランティアのリーダー3人くらいが、毎週違うルートで2キロから4キロ程度のウォーキングに連れて行ってくれます。もちろん無料。先週は10名、今週は学校が中間休みということもあり20名くらいが参加しました。

途中、リーダーが植物や町の建物について話してくれます。30年前は8件あったパブも今は半分に減ってしまったこと、カソリックが迫害されていた際に秘密でカソリック教徒が集会したと言われる木のあった場所.....






クリストファー.レン(1666年のロンドンの大火後、ロンドン旧市街にセントポール寺院を含む52の教会を設計)がデザインしたと言われるウィンズロー.ホール。一時元首相のトニー.ブレアが買うつもりで家を見に来たとか。買わないでくれて良かったこと!ここでは毎夏オペラが上演されます。
 
 



200年の歴史を持つザ.ベルホテル。伝統的なイギリスの旅籠です。
 
 




 
 
リーダーに付いて行けば間違いなし。
 




道標。このまま歩いて行けばオックスフォードまで50キロちょっと。
 
 
 
 
 




大きな木が並ぶ住宅街を通って。






 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
今はキングサリが満開
 
 
 
 
ワイルドローズも。
 
 
 
 
 
 
 
集合場所と解散場所はいつもチャーチホール。教会の人がお茶とビスケットを用意してくれています。ドネーションをボールに。いくらでもいいのですが一応50ペンスを基準に。
 
 
 
 
 
 
 
これからは毎週水曜はウォーキングの日になりそうです。


5/30/2017

娘たちの家

私たちの引っ越しの前日、娘たちがカナダから帰ってきました。5年前にタイのレスキューセンターでボランティアをしていた際に2匹の犬を引き取り、その後アメリカ、カナダで生活していました。そしてカナダでつらい過去を背負って病気になった猫を引き取りました。その猫が、飛行機内の貨物置場でのフライト(通常動物を移動させる時の場所)には体力的に耐えられないだろうという獣医のアドバイスで、結局唯一猫を座席に乗せて連れてくることが出来るエアーフランスでカナダのヴァンクーバーからパリに。パリから動物移動専用のタクシーでユーロトンネルを通ってイギリスへ。そこから私がタクシーに代わって宿泊先に連れて行きました。

幸い猫のティアは何事もなくイギリスに到着することが出来ました。犬たちもぐったり疲れてはいましたが翌日には元気を取り戻し、犬らしく(?)走り回っていました。

さて、娘たちの家さがしは私たちと違ってあっさり終わり、先週引っ越しました。彼女たちの人生はペット中心ですから、家は「お湯が出て屋根があればOK」という条件。ペットのための条件は、犬たちが遊びまわれる大きな庭があること、そして病気のティアのための個室があることです。

その結果見つかった家はサドブリーの近くの小さな村。なんとこの地域は最初に私たちが引っ越そうと思って家さがしを始めたところでした。歴史があり、自然があり、野生動物植物も多く正に私がイギリスでこれから暮らすのに欲しい条件がそろっていました。

彼女たちが住むことになった家は1800年の始めに女の子の学校として建てられた家。床は石なので冬は寒いでしょう。お風呂も1時間前にスイッチを入れないとお湯が出ません。お隣さんとも離れているし、草原の一軒家を思わせる家です。お店も一体どこにあるのでしょう?とてもとても便利な家とは言えません。でも娘たちにとっては理想の家です。

 
タイ生まれのアータとビンディ



 
 
暖炉のための薪置場。
 



野菜畑にはカランツ(スグリ)の畑も。グズベリーはもう少ししたら収穫。
 
 



見事なルバーブ
 
 



庭の一部は馬の調教をする場所です。馬の代わりに今は犬の遊び場です。
 
 
馬になったビンディ?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
一体いくつのルバーブパイを作るのでしょう?と思ったら近くの村の人と物々交換でした。ルバーブの代わりにいただいてきたのはブロッコリとチャードの苗でした。
 
 
 
 
ウィンズローでの私たちの暮らしとは全く違う娘たちの田舎暮らしが始まりました。我が家から車で2時間半かかりますが、車の少ない週末は気持ちの良いドライブです。
 
タイで沸騰したお湯をかけられてひん死状態だったビンディ、ジフテリアで死にそうになって今でも後遺症が残り、薬が離せないアータ、大きなトラウマを持ったティア。私たちが宝くじを当てるよりも狭き門をくぐってきた彼らが、今こうしてイギリスに住むことになった運命は正に奇跡と言えるでしょう。
 
タイからアメリカに行ったときは、鏡を見て驚き、リードをつけて散歩に行くことすら初めてというカルチャーショックに陥ったようです。こうしてイギリスに落ち着いた彼らに言葉が話せるなら、そのハッピーエンドの人生をすっかり聞きたいものです。
 
 
*ブルーベル.スタディコースの前半のフォトギャラリーを更新しましたのでご覧ください。
 
*マンチェスターのテロ事件は多くの犠牲者を出しました。犠牲になられた方々のご冥福をお祈りします。
 
 




5/22/2017

沈黙のフィッシュ&チップス屋さん

家の前にフィッシュ&チップス屋が来ました。しかも静かーに。前のロンドンの家の前には時々アイスクリーム屋さんがまるで巨大オルゴールを積んでいるかのようにものすごい音楽をかけながらやってきていましたが、今度はフィッシュ&チップスのバン。しかもイベント会場で見るような大きさです。






後でご近所の方に聞いたら毎週金曜に来るので、その家の夕食は金曜はフィッシュ&チップスの日と決まっているそうです。




私はたまたま家の中から外を見ていてこのバンに気が付いたのですが、ここの人たちはこの「沈黙の訪問客」が来たことをどうやって知るのでしょう。毎週金曜は、この時間は窓際に座って待っているのでしょうかね? それとも毎週同じ時間きっかりにやってくるのでしょうか? 不思議、不思議。

5/20/2017

我こそベイクウェル.プディングの元祖

丘陵地帯にある町ベイクウェルはベイクウェル.プディングで知られています。このお菓子はある間違いからできたものと言われています。1820年ころのこと。町のホテルの女将さんが外出する際に料理人にジャムタルトを作るように、そのレシピをおしえました。そのレシピはパイ地に卵とアーモンドぺイストを混ぜるというものでしたが、その料理人は間違って、卵とアーモンドペイストを混ぜてパイ地に敷かれたジャムの上に流し込んだために、結果は卵とアーモンドペイストが程よく混じってカスタードに似たものになり旅館のお客に大好評でした。こうしてできたものがベイクウェル.プディングとなったのです。

さて問題は、この町には「我が店こそベイクウェル.プディングの元祖」というのが3軒もあることです。今回行ったのはそのうちの2軒でした。


オールド.オリジナル.ベイクウェル.プディングショップ






ブルーマーズ
 
 
 
 
「最初でオリジナルのベイクウェル.プディング」と更に元祖であることを強調しています。
 
 
 
 
 
 
両方買って、ホテルで皆で試食しました。
 
 
 
 
 
 
 
 
どちらが美味しかったかって? どちらもそれなりに.....実は袋から出したらどちらがどちらかわからなくなってしまいました。
 
因みにベイクウェル.タルト、チェリー.ベイクウェルと紛らわしい名前の物が他にもありますが、これらはベイクウェル.プディングとは別物なので話は更にややこしくなってきます。
 
 


5/16/2017

私の新しい古い町

随分ご無沙汰してしまいました。5月5日に引っ越し、その後ブルーベルツアーに出て昨日戻りました。ブルーベルツアーはオックスフォードの南にあるデンマンカレッジから始まり(このツアーのことは近いうちにカルチャーツーリズムUKのウェブサイトでご紹介します。)、昨日ヒースロー空港で終了したのですが、初めて「不便なところに引っ越してきたなー。」と感じました。

新しく住むことになったWinslowウィンズローの町は列車の駅がある隣町Aylesburyからバスで20分です。主人と私の希望の町として全てを満たしてくれる町が見つからず、一年近く探し続けてしまいには友人から「まだロンドンにいたの?」と言われる始末......

でも引っ越して来て本当に良かったと思っています。ここは人口4400人のマーケットタウンです。西暦700年の後半にアングロサクソンの王がセント.オルバンズの修道院にこの土地を与えたと記録されています。中世には定期市が開かれるマーケットタウンとして栄えたため、町の中心にはその時代の古い建物が多く残っています。








 
 
 
 
毎週水曜は町の中心のマーケット広場で小さなマーケットが開かれ、新鮮な野菜が手に入るので、水曜は買い物の日になりそうです。その他、毎月第一日曜はファーマーズマーケットが開かれます。
 
 
 
 
子供用のハリネズミのパンがあまりに可愛らしく、買ってしまいました。
 
 
 
 
 
 
えっ?もしかしたら日本人?やっぱりそうでした。美しい歌声の女性の隣でギターを弾いている方。向こうもびっくりした様子。こんなところに日本人?って。 今回は初めてウィンズローのファーマーズマーケットの主催者からお声がかかってわざわざロンドンからやって来たそうです。また来てほしいなー。
 
 
 
 
 
 
ホームメイドのチョコレートを売っている男性ふたり。「ヴィーガンチョコレートも研究中だよ。」とうれしい情報。巡回中の女性のお巡りさんに、「これっ、味見してください!」と。
 
 
 
 
ウィンズローほど犬の多いマーケットは記憶にありません。ここに住むことになったので、そんなことが特に気になるのかもしれませんが、私たちもルビーとジャスパーを連れてご挨拶。糖尿病の方が、インスリンの作用が不足していることを事前に感知して知らせる訓練を受けている犬もいました。ルビーも興味津々。
 
 
 
 
すぐ近くでリンゴ酒を作っているという女性たち。Cider Lushはリンゴ酒で出来た細かいかき氷みたいなもの。午後から車を運転しなければならなかったので、この日は断念。次回は絶対トライするぞ!と。
 
 
 
 
 
 
 
 
家から町までは歩いて10~15分です。途中で通る公園や植林園。
 
 
 
 
 
 
 
ロンドンしか住んだことのない私たちが第二の人生を過ごすのに選んだ町は今のところとても住み心地の良い所。でもこれから2年をめどにロンドンに戻るか、ウィンズローで暮らすかを考えたいと思います。